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プログラミングとかのラフなブログ

唯識を平行に展開する

唯識を平行に展開する

今回たまたま唯識について話を聞く機会があり、そこから派生させて自分の中にあった解釈と認識について整理してみようと思い、この記事を書きました。

唯識とは、以下のように説明されます。

「目に見える世界や自分自身は、すべて自分の心が作り出した認識である」という大乗仏教の思想です。

古典的な思考のフレームワークのようなものだと思いますが、現代のように情報過多になるととても有用な考え方だと思いました。

認識を変える

よくコップに入ってる水を例に 「まだ半分ある」と考えるか「もう半分しかない」と捉えるかは認識の問題で、実際に「コップに半分の量の水が入っている」という事実が変わるわけではない というものです。

これをポジティブと捉えるかネガティブと捉えるかが問題という例です。

行動経済学の名著ファスト&スローでも言われるように、Fast思考:システム1Slow思考:システム2の話で、システム1は経験則から答えを導き出し、その答えにはバイアスがかかっているというものです。そしてシステム2の方がより公平な答えが出せる可能性を示唆しています。

ちなみに現在は行動経済学自体の再現性を問われる側面もありますが、一旦話がややこしくなるので置いておきます。

認識の前に解釈がある

この認識に至るプロセスとして、ここまで出なかった概念として解釈というものが存在します。

そして一般的な人の感情が振れる流れは以下だと思います。

  1. 事象を視認する
  2. 視認された情報を解釈する
  3. 解釈された情報を認識する
  4. 認識により感情が決定する

実際に人は何かを見た時に、それを正しく認識することは困難です。なぜなら情報量が多すぎたり、情報が欠損しているからです。 そこから人は「何が起こっているのか」「背景はどうなのか」「誰が敵で誰が味方なのか」などを自分の経験則から、事の顛末を解釈します。 そして解釈を自分で認識して、喜んだり、怒ったり、悲しんだりするわけです。

解釈を複数持つ

直感的解釈は決して否定するものではありません。ただ直感的な解釈によって、負の感情に傾きそうになった時は複数の解釈を持つと良いと思っています。

自分はこの解釈については 陰謀論 などの極端なものを含めて良いと思ってて、大事なのは解釈はあくまで解釈であり、事実ではないという認知を持つ事だと思います。

そのことを理解していても、一つの解釈だと解釈=事実と誤認しやすいです。それを回避するためにも解釈を複数持つことは有用です。

解釈を支える構造

解釈は認知構造を生成します。そして認知構造は自己モデルを生成します。 認知構造と自己モデルの例が以下になります。

認知構造

Aタイプの認知構造
- 過剰責任感
- 自己原因帰属バイアス
- 罪悪感耐性が低い
→ 世界を「自分中心の因果」で理解する構造

Bタイプの認知構造
- 現実受容型
- 因果分離能力が高い
- 不確実性耐性が高い
→ 世界を「確率と偶然」で見る構造

Cタイプの認知構造
- 不安傾向
- 予期不安が強い
- 危険過大評価
→ 世界を「常に危険」と見る構造

Dタイプの認知構造
- 他責傾向
- 正義感が強い
- 怒り駆動
→ 世界を「加害構造」で見る構造

例えば上記のパターンの人がイジメの投稿を見た時に起こりうる行動や思考です。

[いじめの投稿を見た時のパターン]

世界を「自分中心の因果」で理解する構造
- 何か自分にできることはないのかな?

世界を「確率と偶然」で見る構造
- 人間がこれだけいるんだからそういうこともあるよね。

世界を「常に危険」と見る構造
- 次の職場で自分も同じようにいじめられるのではないか?

世界を「加害構造」で見る構造
- 加害者をSNSで晒してやろう。

上記は例なので当然当てはまらない事例もありますし、このタイプのどれが良くてどれが悪いとかもありません。

自己モデル

自己モデルは自動生成されるもので意識して選べるものではありません。

[自己認識]
- 自分の価値
- 自分の能力評価
- 自分の役割認識
- 自分の立場認識
..etc

[自己認識から生成される思考]
- 自分は有能/無能だ
- 自分は努力家/怠け者だ
..etc

上司に「資料を作り直して」注意された時の反応を、例に見てみます。

[上司に「資料を作り直して」注意された時の反応]

自己モデルA:「否定的に捉える」
→ 落ち込む → 行動が萎縮 → 成長が止まる

自己モデルB:「肯定的に捉える」
→ 改善点を探す → 行動修正 → 成長が加速

認知構造と自己モデルは、機械的に事実を受け取り解釈を返す関数(解釈生成関数) のように作用します。そのため、「資料を作り直して」と注意された例でも、解釈生成関数は働いています。

そしてよく使われる思考パターンがシステム1として定着していきます。

自己モデルはシステム1と相性が良いですが、システム2の場合は影響を限定的にできます。

他人の解釈を拝借する

上記の関係性により実は一人で考えていても、解釈の深度や幅は簡単には広くなりません。

そんな時は自分と違う意見や考えを持っている人の解釈を参考にします。

その解釈をコピーして自分の解釈の一つのように振る舞います。大切なのは前述した通り、複数解釈を持つことです。 それは自分の解釈じゃなくても良いのですが、注意点もあります。

それは他人の解釈を事実と捉えないことです。

平行な解釈を行き来する

解釈が複数持つことができるとひとつの解釈に縛られる必要がなくなります。いつでもどの解釈に移動してもいいですし、好きではない解釈には距離を置いてもいいです。

いろいろな解釈を行き来すると、他人から「一貫性がない」や「芯がない」と思われることもありますが、それで実害がないのであれば何も問題ありません。

相手からは「以前と違うことを言ってる」と見えますが、そもそも違うことを言ってはいけないルールはないですし、仕事でない限り考え方が変わったタイミングで報告する義務すらありません。

いろいろな解釈から、その時に自分が妥当だと思ったものを選べばいいだけです。

複数の解釈は自己理解だけでなく、他人の理解へもつながります。

まとめ

自分自身もいつも出来ているわけではないですが、あまり断定的な物の見方や考え方はせずに、自分の考えも今ある材料でできる解釈のひとつだと思うようにしています。

物事の新しい側面を発見したり、今の考え方や捉え方に限界や違和感を感じている人の参考になればと思います。

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すずき ゆうた

愛知県でフリーランスのフロントエンド・エンジニアをしています。Reactを用いた開発が得意です。 他にもプロジェクトマネジメントや組織マネジメントも行ってきました。エビデンスのない事でも自分の経験から書いていくので話半分くらいでお願いします。